溶岩流論議に見るハワイアンの価値観

このハワイアン女性たちの言っていることがわかるまでは、あなたは本当のハワイを知らない。


これは溶岩流迫るハワイ島パホア地区で先月行われた、ハワイ郡行政による集会での映像です。
集落が、わが家が、溶岩にのまれてしまうかもしれない、そんな危機感を持った住人たちの一部が、避難場所を提供する説明会を行った郡職員たちに執拗に迫ったこと。それは政府の指揮のもと、溶岩流の流れを人工的に変えて、被害から自分たちを守ることでした。ハワイ郡の見解は、人工的に溶岩流を変えようとすることは、過去の経験からも被害をより大きくするリスクが高いこと、そして先住ハワイアンの文化に対する敬意を示し慎重にならなければいけない、というものでした。多くの人がその見解に不満を抱き、彼らの主張を市民の意見としてぶつけていました。そんな状況のなか、数人のハワイアン女性がマイクの前に立ち、人々が理解を示そうとしない先住ハワイアンの視点からの意見をまっすぐに伝えたシーンがここに映し出されています。

以下に、ハワイアン女性たちの言葉の中から、ぼくが共感、納得した部分を日本語に訳して記しておきます。

「先住ハワイアンにとってペレは、我々のクプナです。彼女は私たちの先祖なんです。」

「先住ハワイアンの視点はこうです。私たちは本当の意味では土地を所有しません。ここはペレの住む場所です。ペレの家に上がり込んで、ペレに別の場所に行くように命令するなんてことはとんでもない過ちです。」

「先住ハワイアンとして言います。溶岩流、ペレに手を出してはいけない。彼女が自分の家を大掃除しなければいけないというなら、大掃除させるしかないのです。」

「そもそも私たちは皆、ここが溶岩の場所だと知って住んでいるはずです。それをペレと信じるか、科学的に証明されている溶岩として見るかに関わらず、その流れを変えることなどしてはいけない。母なる自然の営みにケチをつけるなんておかしな話です。それはまるで「月明かりがまぶしすぎるから、あの月をどこかに移動させろ」と言っているようなものです。現実的になってください。私たちがやらなければいけないこと、それは助け合うことです。」

「溶岩があなたの家まで流れてくる前に、備えておきなさい。そしてここに何年も住むことができたことを感謝し、あなたが信じる神様に祈りなさい。あなたはパラダイスに住むという機会を持てたのですから。」

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Live Aloha,
Nui Daisuke
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